素焼き鉢が乾くまでの時間

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記事日付: 2018/03/31

最近ミニサボテン・ミニ多肉植物を集め始めた。
いつ水をやればよいのか不明だったので調べてみた。

生育期の灌水はいつ・どれくらい?

サボテンの生育期における水やり周期を考える。
ネットで調べると、どのようなサイトでも一様に過灌水が厳禁であると指導している。

では、灌水はどのような周期で実施すべきか。以下のような指導がよくみられる。

① 1週間に1度くらい
② 土の表面が乾いた後、数日たってから
③ 鉢の土が中まで乾いたら

おそらく、どの記載も同じ事を言っている。
「③ 鉢の土が中まで乾いたら」灌水するのがよく、
鉢の土が中まで乾くのは「② 土の表面が乾いた後、数日たってから」であり、
結局のところ、代表的環境における期間としては「① 1週間に1度くらい」にまとめられたものと考えられる。

筆者の栽培環境

ここで筆者の栽培環境を示しておく。
サボテン園芸界の標準的環境からはズレている気がするが、
おしゃれインテリア界基準ではありがちではないか。

① 室内栽培
完全室内栽培である。
植物育成用LEDアレイを設置して照光しているが、

直射日光の赤外線成分のような強力な熱的影響はない。

② 素焼き小鉢
鉢は素焼きの小鉢を用いている。
見た目がかわいいから。

③ 粗砂
培養土は刀川平和農園の「サボテン培養土」。
腐葉土等を含まず、見た目がクリーン
虫が出にくそうなので、室内栽培に向くのではないか。
ほぼ粗砂であるため水はけ抜群であるが、保水性には欠くように思われる。

素焼き鉢の乾き具合は?

さて、先の「 1週間に1度くらい」則が筆者の環境でも成立するか
実験により確かめてみる。

※と思った矢先、東京カクタスクラブさんのサイトにちょうどこの件にかかわる
論文が掲載されているのに気づいた。大変参考になるのでみんな読もう。

試験方法

以下の手順により試験する

① 培養土を入れた鉢を用意する。
筆者の栽培環境と同じように底石も入れる。

② 乾燥時の鉢の重量を測定する。
刀川のサボテン培養土はもともとドライなので、灌水前は実用上の乾燥状態といってよい。

③ 灌水する。
サボテン栽培指導でよく言われる「たっぷりと」「鉢の底から水が出てくる」ように灌水する。

④ 鉢の底から水が出なくなるまで水切りし、この時点の重量を測定する。
この重量と乾燥時重量の差分が最大の含水量である。

④ 実際の栽培環境と同じ場所に設置する。

⑤ 定期的に鉢の重量を測定する。

試料

試験用の小鉢として以下を用意した。

① 素焼き小鉢 (2.5号) 2個
② 素焼き小鉢 (3.0号) 2個
③ 素焼き小鉢 (3.5号) 2個
④ プラ小鉢 (4号)  2個 (比較用)

testPots.jpg

使用した砂は以下のとおり。

培養土:刀川平和農園「サボテン培養土」
底石: プロトリーフ「かる~い鉢底石」

sand.jpg

できあがった供試体が以下。

testSubjects.jpg

設置環境は以下のとおり。
なお、素焼き3.5号②にだけ簡易土壌水分計Susteeを刺してみた。

testEnvironment.jpg

試験結果

含水量の変化は以下のとおり。

waterGraph.jpg

素焼き鉢の水の喪失は想像以上に急激で、
灌水から2~3日程度でほぼゼロである。

プラスチック鉢は含水量の変化がゆったりしており、
4日経過時点でも水が50%以上残っている。

含水量を灌水直後の状態に対する比で表して正規化すると、以下のようになる。

waterGraph2.jpg

素焼き鉢間で比較すると鉢が大きいほど水が長持ちする傾向にはあるが、
この差は思ったより大きくない。
なお、素焼3.5号②(素3.5②)に刺したSusteeは、48~60時間の間で表示が白となった。

この試験環境の気温・湿度は以下のとおりである。

なお、試験期間は 2018/3/28~2018/4/1。
試験場所は埼玉県東北部の住居室内である。

tempHumi.jpg

まとめ

本試験の条件下において
2.5号~3.5号の素焼き小鉢では、おおむね丸2~3日で培養土中の含水が失われる。

考察

① 含水の喪失が急速であるため、「鉢の土が中まで乾いたら」則に従うと
おおむね3日に1回灌水してよいことになる。

② 「1週間に1度くらい」則だと4日程度の乾燥期間が生じる。
多肉植物はおそらくこの程度の乾燥に耐えるが、
生育を重視するならばもっと高頻度で灌水してもよいかもしれない。

③ 含水の喪失が急速であることを利用して頻繁に灌水を行うことにより、
土中の空気を入れ換えを頻繁に行いうる。
根腐れ(湿害)の原因を用土中の酸素欠乏によるものと考えた場合、
このような運用は悪くないかもしれない。

注意

本試験では植物に吸収される水分を考慮していない。
※ただし、多肉植物は水分の消費量が少ないはずであり、
特に含水の喪失が急激な場合、植物に吸収される水分の影響度は相対的に低いと考えられる。

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本ページの管理人

Likipon

埼玉在住の一応エンジニア。最近はシステムエンジニア気味で回路が本業でなくなってしまった。

うなりくんのファン。

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